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仮想ネットワークピアリング(Vnet ピアリング)とは?
仮想ネットワークピアリングとは仮想ネットワーク同士を接続する機能です。
仮想ネットワーク同士はデフォルトでは通信を行う事が出来ません。仮想ネットワーク同士でやり取りが必要となる場合は、仮想ネットワークピアリングで仮想ネットワーク同士を接続する必要があります。
仮想ネットワークピアリングでは、同じリージョン内の仮想ネットワーク同士の接続、またリージョンを跨いだ接続も可能です。
ユースケース
上述の通り、仮想ネットワーク同士で通信を行いたい時に利用します。
ハンズオンで作成する構成
以降のハンズオンでは下図の様に、test-vnet1とtest-vnet2、test-vnet2とtest-vnet3がピアリングされている状態を作成します。
手順
※当ページでは2022年12月現在の仮想ネットワークについて解説しています。クラウドサービスは頻繁にアップデートが施されるため、仕様が若干異なる可能性があります。
ログイン
まずは、Azure公式ページからAzureにログインしましょう。
Azureアカウントを保持している方はSign inを、保持していない方はFree accountよりアカウントを作成しましょう。
仮想ネットワークの作成
test-vnet1, test-vnet2, test-vnet3という仮想ネットワークを作成しましょう。アドレス空間及びサブネットは他の仮想ネットワークと被らなければ任意に作成して問題ありません。
詳細については、【Azure】仮想ネットワークとは?使い方徹底解説!を参照してください。
test-vnet1とtest-vnet2のピアリング
test-vnet1の画面から、ピアリングタブを選択し”追加”を押下します。
ピアリングの追加にて以下の様に設定し、”追加”を押下します。
- ピアリングリンク名:test-vnet1からtest-vnet2の通信の名前を付与します。今回は”test-vnet1-to-test-vnet2″とします。
- リモート仮想ネットワークへのトラフィック:ピアリング先の仮想ネットワークへのトラフィックを設定します。”許可”とする事でピアリング先への通信が可能となります。今回は”許可”とします。
- リモート仮想ネットワークから転送されたトラフィック:ピアリング先からピアリング元への転送トラフィックの設定をします。今回は”許可”とします。
- 仮想ネットワークゲートウェイまたはルートサーバー:仮想ネットワークゲートウェイもしくはルートサーバーを利用している場合に選択する設定です。オンプレミスのネットワークなどとの通信を許可できます。ゲートウェイを作成していないので今回は”なし”を選択します。
- ピアリングリンク名:test-vnet2からtest-vnet1への通信の名前を付与します。今回は”test-vnet2-to-test-vnet1″とします。
- 仮想ネットワークのデプロイモデル:仮想ネットワークのデプロイモデルを選択します。クラシックモデルは2014年以前に主流で利用されていたものです。”Resource Manager”を選択します。
- リソースIDを知っている:別のサブスクリプションやテナントの仮想ネットワークと接続する場合リソースIDを利用して接続します。今回は同じサブスクリプション内の仮想ネットワークを接続するので、空欄のままにします。
- サブスクリプション:利用しているサブスクリプションを指定します。
- 仮想ネットワーク:ピアリングする仮想ネットワークを選択します。
- リモート仮想ネットワークへのトラフィック:ピアリング先からピアリング元へのトラフィックを設定します。”許可”を選択します。
- リモート仮想ネットワークから転送されたトラフィック:ピアリング元からピアリング先への転送トラフィックを設定します。”許可”を選択します。
- 仮想ネットワークゲートウェイまたはルートサーバー:仮想ネットワークゲートウェイもしくはルートサーバーを利用している場合に選択する設定です。”なし”を選択します。
test-vnet1のピアリングタブに”test-vnet1-to-test-vnet2″、test-vnet2のピアリングタブに”test-vnet2-to-test-vnet1″が作成されます。
上記の手順と同様に、test-vnet2とtest-vnet3のピアリングも作成します。
注意しなければいけないポイントとしては、test-vnet1とtest-vnet2、test-vnet2とtest-vnet3を接続しても、test-vnet1とtest-vnet3は通信ができないという事です。
test-vnet1とtest-vnet3で通信を行う場合は、test-vnet1とtest-vnet3にピアリングを設定する必要があります。